知的障害・発達障害の子が20歳になったら障害年金は申請できる?特別児童扶養手当終了後の手続きを解説
目次
- 1 特別児童扶養手当は20歳未満が対象です
- 2 知的障害・発達障害の20歳前障害とは
- 3 障害認定日は20歳。20歳になったらすぐ確認が必要です
- 4 申請が遅れても、最大5年分の遡及請求ができる可能性があります
- 5 療育手帳があれば障害年金も自動的にもらえる?
- 6 発達障害でも20歳から障害年金を受けられる可能性があります
- 7 精神・知的障害の申請は件数が多く、重要な分野です
- 8 20歳前障害の申請で難しいポイント
- 9 20歳になる前から準備しておくべきこと
- 10 東京新宿・渋谷障害年金プラザにご相談ください
- 11 よくある質問
- 12 まとめ|特別児童扶養手当が20歳で終わる前に、障害基礎年金を確認しましょう
- 13 お子さまが20歳になる前に、障害年金の準備を始めませんか?

「子どもがもうすぐ20歳になるが、特別児童扶養手当が終わった後はどうすればいいのか」
「療育手帳があれば、障害年金も自動的にもらえるのか」
「知的障害や発達障害でも、20歳から障害年金を申請できるのか」
このような不安をお持ちの保護者の方は少なくありません。
知的障害・発達障害のあるお子さまの場合、20歳は非常に重要なタイミングです。なぜなら、20歳前からある障害については、原則として20歳到達日が障害年金の大きな判断時期になるためです。
日本年金機構では、障害基礎年金の要件として、初診日が「20歳前」にある場合も対象になること、また障害認定日以後に20歳に達したときは、20歳に達した日の翌月分から年金を受給できることを案内しています。さらに、遡って受けられる年金は時効により5年分が限度とされています。
制度を知らずに申請が遅れてしまうと、本来受け取れたはずの年金が時効で受け取れなくなる可能性があります。
この記事では、知的障害・発達障害のあるお子さまの保護者向けに、20歳前障害による障害基礎年金、特別児童扶養手当との関係、療育手帳との違い、遡及請求のポイントをわかりやすく解説します。
特別児童扶養手当は20歳未満が対象です
特別児童扶養手当は、精神または身体に障害のある20歳未満の児童を家庭で監護・養育している父母等に支給される制度です。厚生労働省は、特別児童扶養手当の対象を「20歳未満」の児童として案内しています。
そのため、お子さまが20歳になると、特別児童扶養手当は原則として終了します。
ここで多くの保護者の方が不安になるのが、次の点です。
「20歳以降の生活費はどうなるのか」
「就労が難しい場合、本人の収入はどう確保すればよいのか」
「親がいつまでも生活費を支え続けなければならないのか」
このときに必ず確認していただきたい制度が、障害基礎年金です。
知的障害・発達障害のあるお子さまが、20歳以降も日常生活や就労に大きな支障を抱えている場合、障害基礎年金を受給できる可能性があります。
知的障害・発達障害の20歳前障害とは
障害年金では、初診日がいつかによって、受けられる年金の種類や要件が変わります。
知的障害や発達障害の場合、幼少期から特性や生活上の困難が見られることが多く、初診日が20歳前になるケースが少なくありません。
20歳前に初診日がある場合、厚生年金加入中の初診ではないため、原則として対象になるのは障害基礎年金です。障害厚生年金ではありません。
障害基礎年金は、1級または2級に該当する場合に支給されます。日本年金機構は、2級について「日常生活は極めて困難で、労働によって収入を得ることができないほどの障害」と説明しています。
つまり、知的障害・発達障害の場合も、病名や診断名だけで判断されるのではありません。
次のような生活上の支障が、どの程度あるかが重要になります。
- 金銭管理が一人では難しい
- 食事、服薬、身だしなみ、通院管理に声かけや見守りが必要
- 対人関係や集団生活でトラブルが起きやすい
- 予定変更や環境変化に強い不安・混乱がある
- 一般就労が難しい、または就労しても継続が難しい
- 福祉的就労、就労移行支援、就労継続支援を利用している
- 家族の支援がないと生活リズムを維持できない
保護者の方が「手帳はあるけれど、年金の対象になるほどではないのでは」と思い込んでしまい、申請が遅れるケースは非常に多くあります。
障害認定日は20歳。20歳になったらすぐ確認が必要です
知的障害・発達障害など、20歳前からある障害では、20歳が障害年金申請の重要な節目です。
日本年金機構は、障害基礎年金について、障害認定日に障害状態に該当する場合は、障害認定日の翌月分から受給できると説明しています。また、障害認定日以後に20歳に達した場合は、20歳に達した日の翌月分から受給できます。
保護者の方に特に知っていただきたいのは、20歳になったら自動的に障害年金が支給されるわけではないという点です。
障害年金は、本人または代理人が請求しなければ始まりません。
20歳になった時点で対象になる状態だったとしても、申請しなければ年金は支給されません。制度を知らずに数年経ってしまい、「もっと早く申請できたのに」と後から気づくケースもあります。
申請が遅れても、最大5年分の遡及請求ができる可能性があります
障害年金には、障害認定日にさかのぼって請求する「認定日請求」があります。
20歳前障害の場合、20歳時点で障害等級に該当していたことを証明できれば、20歳到達日の翌月分からさかのぼって受給できる可能性があります。
ただし、無制限にさかのぼれるわけではありません。日本年金機構は、請求書は障害認定日以降いつでも提出できるものの、遡って受けられる年金は時効により5年分が限度としています。
たとえば、令和7年度の障害基礎年金2級は年額831,700円です。5年分にすると、831,700円×5年=4,158,500円となります。令和8年度の障害基礎年金2級は年額847,300円のため、5年分では4,236,500円です。
つまり、20歳時点で障害等級に該当していたにもかかわらず申請が遅れていた場合、条件が整えば約415万円以上の一括受給につながる可能性があります。
ただし、遡及請求には大きな注意点があります。
20歳時点の状態を示す診断書や、当時から現在までの生活状況を説明する資料が必要になるためです。日本年金機構の手続き案内でも、障害認定日と請求日が1年以上離れている場合には、障害認定日頃の診断書に加えて、直近の診断書も必要とされています。
「20歳のころは病院に通っていなかった」
「診断書を書いてくれる医師がいるかわからない」
「療育手帳の判定資料はあるが、年金用診断書がない」
このような場合でも、すぐに諦める必要はありません。資料の集め方や請求方針によって、申請できる可能性があります。
療育手帳があれば障害年金も自動的にもらえる?
保護者の方から非常に多い質問が、「療育手帳と障害年金は同じですか?」というものです。
結論からいうと、療育手帳と障害年金は別制度です。
療育手帳を持っているからといって、障害年金が自動的に支給されるわけではありません。反対に、療育手帳の等級だけで障害年金の等級が決まるわけでもありません。
療育手帳は、主に知的障害のある方が福祉サービスや各種支援を利用するための手帳制度です。一方、障害年金は、障害によって日常生活や労働に制限がある場合に、所得保障として支給される公的年金制度です。
ただし、療育手帳は障害年金申請において重要な参考資料になることがあります。
たとえば、次のような資料は、20歳前からの障害状態や生活状況を示す手がかりになります。
- 療育手帳の写し
- 判定記録
- 児童相談所・発達相談センターの資料
- 特別支援学校の資料
- 個別支援計画
- 福祉サービスの利用記録
- 放課後等デイサービス、就労支援事業所の記録
- 医療機関の診療録
- 保護者が記録してきた成育歴・生活状況メモ
障害年金の申請では、診断書だけではなく、出生から現在までの成育歴、学校生活、家庭生活、就労状況、支援の必要性を整理して伝えることが重要です。
発達障害でも20歳から障害年金を受けられる可能性があります
発達障害の場合、知的障害を伴うケースもあれば、知的障害を伴わないケースもあります。
「IQは低くないから障害年金は無理ではないか」と考える保護者の方もいますが、必ずしもそうとは限りません。
障害年金では、単に診断名や知能指数だけでなく、日常生活能力や社会生活上の困難、就労の継続性、支援の必要性などを総合的に見ます。
たとえば、次のような状態がある場合は、発達障害でも障害年金の対象となる可能性があります。
- 対人関係が極端に苦手で、職場や学校で孤立しやすい
- 指示理解や段取りが難しく、継続的な支援が必要
- 感覚過敏やこだわりが強く、生活範囲が大きく制限されている
- 不安、抑うつ、パニック、不眠など二次障害がある
- 一般就労をしても短期間で離職を繰り返している
- 家族の声かけや管理がないと生活が崩れてしまう
特に20歳前から発達特性があり、学校生活や家庭生活で継続的な支援を受けてきた場合は、20歳前障害として整理できる可能性があります。
精神・知的障害の申請は件数が多く、重要な分野です
知的障害・発達障害を含む精神の障害は、障害年金申請の中でも件数が多い分野です。
日本年金機構の障害年金業務統計では、障害年金診断書の種類として「精神障害・知的障害(精神の障害)」が分類されています。令和6年度決定分の業務統計でも、精神障害・知的障害は新規裁定の中で大きな割合を占めています。
また、厚生労働省の資料では、令和3年度の診断書別の新規裁定件数において、「精神障害・知的障害」が全体の約7割を占め、障害基礎年金では79.4%を占めるとされています。
つまり、知的障害・発達障害による障害年金は、決して特殊な申請ではありません。むしろ、障害基礎年金の中では非常に重要な申請類型です。
それにもかかわらず、保護者の方が制度を知らなかったために、20歳時点で申請できず、数年後に初めて相談に来られるケースが多くあります。
20歳前障害の申請で難しいポイント
20歳前障害による障害基礎年金は、単に「診断書を出せばよい」という手続きではありません。
特に知的障害・発達障害の場合、次の点が難しくなりやすいです。
1. 初診日・診断時期の整理
知的障害の場合は、出生日を起点に考えるケースもありますが、発達障害では初めて医療機関を受診した日が重要になることがあります。
幼少期の相談機関、児童精神科、小児科、発達外来、教育相談など、どこが初診として扱われるかを整理する必要があります。
2. 20歳時点の診断書
遡及請求をする場合、20歳前後の状態を示す診断書が重要です。
20歳時点で医療機関に通っていなかった場合や、当時のカルテが残っていない場合は、別の資料でどのように補うかを検討する必要があります。
3. 病歴・就労状況等申立書
知的障害・発達障害の申請では、出生から現在までの成育歴、学校生活、家庭生活、就労状況、福祉サービス利用状況を整理する必要があります。
日本年金機構の案内でも、病歴・就労状況等申立書は障害状態を確認するための補足資料とされています。
保護者の方が長年支援してきた内容を、審査側に伝わる形で整理することが重要です。
4. 「できること」と「支援があってできていること」の違い
障害年金の申請で非常に重要なのが、「本人が一人でできるのか」「家族の声かけや見守りがあってできているのか」を区別することです。
たとえば、食事ができる、通所できる、簡単な作業ができるという場合でも、それが本人だけで安定してできているのか、家族や支援者のサポートがあって成立しているのかで評価は変わります。
保護者の方は日常的に支援しているため、その支援を「当たり前」と感じてしまい、申立書や医師への説明に書き漏らしてしまうことがあります。
20歳になる前から準備しておくべきこと
お子さまが18歳、19歳で、20歳が近づいている場合は、今から準備を始めることをおすすめします。
特に確認すべきことは次のとおりです。
- 現在の主治医が年金用診断書を書けるか
- 20歳前後の受診予定を組めるか
- 療育手帳や判定資料が手元にあるか
- 特別児童扶養手当の認定資料があるか
- 学校・福祉サービス・支援機関の資料が残っているか
- 本人の日常生活で必要な支援内容を整理できているか
- 就労・通所・進学の状況を説明できるか
20歳を過ぎてから慌てて動くよりも、20歳になる前から準備を進めることで、申請がスムーズになります。
特別児童扶養手当を受給しているご家庭では、20歳でその手当が終了するタイミングと、障害基礎年金を検討するタイミングが重なります。
「特児が終わるから、次は何をすればいいのか」と感じた時点で、障害年金の確認を始めてください。
東京新宿・渋谷障害年金プラザにご相談ください
東京新宿・渋谷障害年金プラザでは、知的障害・発達障害のある方の障害基礎年金申請について、保護者の方からのご相談を受け付けています。
特に、次のような方は早めにご相談ください。
- お子さまがもうすぐ20歳になる
- 特別児童扶養手当が20歳で終了する
- 療育手帳はあるが、障害年金の申請方法がわからない
- 発達障害でも障害年金を受けられるか知りたい
- 20歳を過ぎてから数年経っており、遡及請求を検討したい
- 20歳当時の診断書が取れるかわからない
- 親が代わりに手続きを進めたい
- 病歴・就労状況等申立書の書き方が不安
障害年金は、申請が遅れるほど、時効により受け取れる年金が少なくなる可能性があります。
特に20歳前障害は、申請時期と資料準備が重要です。制度を知らなかったことで不利益を受けないよう、早めに専門家へご相談ください。
よくある質問
Q1. 知的障害の子どもは20歳になったら障害年金を申請できますか?
20歳前から知的障害があり、20歳時点で障害等級1級または2級に該当する状態であれば、障害基礎年金を申請できる可能性があります。自動的に支給されるわけではないため、請求手続きが必要です。
Q2. 発達障害でも障害年金を受けられますか?
発達障害でも、日常生活や就労に大きな支障があり、障害等級に該当する場合は障害年金を受給できる可能性があります。診断名だけでなく、生活能力、社会適応、就労状況、支援の必要性が重要です。
Q3. 療育手帳があれば障害年金も自動的にもらえますか?
いいえ。療育手帳と障害年金は別制度です。療育手帳を持っていても、障害年金は別途申請が必要です。ただし、療育手帳や判定資料は、障害状態を説明する参考資料になることがあります。
Q4. 特別児童扶養手当は20歳以降も続きますか?
特別児童扶養手当は、精神または身体に障害のある20歳未満の児童を養育する父母等を対象とする制度です。そのため、20歳以降は障害基礎年金の申請を検討することが重要です。
Q5. 20歳を過ぎてから申請しても間に合いますか?
20歳を過ぎてからでも申請できる可能性があります。20歳時点で障害等級に該当していたことを証明できれば、認定日請求によりさかのぼって受給できる可能性があります。ただし、時効により遡って受け取れるのは原則5年分が限度です。
Q6. 20歳当時の診断書がない場合は申請できませんか?
必ずしも申請できないとは限りません。ただし、遡及請求では20歳前後の障害状態を証明する資料が重要です。当時のカルテ、療育手帳の判定資料、学校・福祉機関の資料、現在の診断書などを確認し、申請方針を検討する必要があります。
まとめ|特別児童扶養手当が20歳で終わる前に、障害基礎年金を確認しましょう
知的障害・発達障害のあるお子さまにとって、20歳は障害年金申請の重要なタイミングです。
特別児童扶養手当は20歳未満を対象とする制度であるため、20歳以降の生活を考えるうえでは、障害基礎年金の確認が欠かせません。
20歳時点で障害等級に該当していたにもかかわらず申請が遅れていた場合、条件が整えば最大5年分の遡及請求により、まとまった金額を受給できる可能性があります。
ただし、知的障害・発達障害の申請では、診断書、成育歴、生活状況、就労状況、保護者の支援内容を正確に整理することが重要です。
東京新宿・渋谷障害年金プラザでは、初回無料相談を実施しています。
「子どもが20歳になる前に何を準備すればよいか知りたい」
「特別児童扶養手当が終わった後の制度を知りたい」
「療育手帳があるが、障害年金を申請できるかわからない」
「20歳を過ぎているが、遡及請求できるか確認したい」
このような保護者の方は、まずはお気軽にご相談ください。
お子さまが20歳になる前に、障害年金の準備を始めませんか?
特別児童扶養手当は20歳で終了します。
その後、知的障害・発達障害のあるお子さまは、障害基礎年金を受給できる可能性があります。
申請が遅れると、時効により受け取れる年金が減ってしまうことがあります。
20歳前後の診断書、療育手帳、学校・福祉サービスの資料など、早めの準備が大切です。
東京新宿・渋谷障害年金プラザでは、初回無料相談を実施しています。
保護者の方からのご相談も受け付けています。
最終更新日 2日
著者

- 社会保険労務士
-
はじめまして。「東京新宿・渋谷障害年金プラザ」を運営する横堀健社会保険労務士事務所の横堀健です。
障害年金は、身体障害だけでなく、知的障害や精神疾患、ガン、脳血管疾患、心疾患、糖尿病などにより生活や仕事に支障がある方を対象とした公的年金制度です。しかし、認知度が低く、受給資格があるのに請求していない方が多くいらっしゃいます。さらに、手続きが複雑なため、途中で諦めてしまう方も少なくありません。
「自分の症状で障害年金を受給できるのか?」「手続きの方法がわからない」などのお悩みに対応するため、無料相談会を実施しております。新宿駅南口から徒歩3分、各線からバリアフリーでアクセスしやすい立地にあり、WEB相談も可能です。
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