軽度知的障害・ASDで障害基礎年金2級を受給|20歳前傷病で年間約83万円を受給した事例

相談者

性別:女性
年齢層:50代
職業:清掃業(パート)
傷病名:軽度知的障害(精神発達遅延)、自閉スペクトラム症(ASD)
決定した年金の種類と等級:障害基礎年金2級(20歳前傷病)
年間受給額:約831,700円

相談時の状況

相談者は出生時から知的障害の特性がみられていたものの、長年にわたり医療機関を受診することなく過ごしてきました。幼少期から対人関係の困難や学習の遅れがあり、学校生活ではいじめや孤立を経験しながらも、適切な支援を受けられないまま成長されました。

成人後も就労や日常生活において支障が続き、職場でのコミュニケーション不全やトラブルが頻発し、安定した就労が困難な状況でした。結婚後も家事や接客に支障があり、離婚後は実家での生活に戻るも、家族との関係悪化や生活能力の低さが顕著となっていました。

その後、生活保護を受給しながら生活する中で、初めて医療機関を受診し、軽度知的障害および自閉スペクトラム症と診断されました。日常生活においては、食事・清潔保持・金銭管理・対人関係など幅広い場面で援助が必要な状態であり、障害年金の申請を希望されて当事務所へご相談いただきました。

相談から請求までのサポート

本件の大きな特徴は、「20歳前から障害状態であったにもかかわらず、初診が非常に遅れている」という点でした。このようなケースでは、初診日の証明だけでなく、幼少期からの一貫した症状の存在を客観的に示すことが極めて重要になります。

そこで、幼少期から現在に至るまでの生活状況や対人関係、就労状況の詳細なヒアリングを行い、時系列に沿って整理しました。特に、学校生活でのいじめや孤立、職場での継続困難、家庭内での生活能力の問題など、日常生活能力の制限が明確に伝わるよう丁寧に申立書へ反映しました。

また、診断書については、単に診断名だけでなく、日常生活能力の判定や具体的な支援の必要性が正確に記載されるよう医師に依頼し、内容の確認と調整を行いました。さらに、家族からの聞き取り内容も補足資料として整理し、長期間にわたり支援が必要な状態であったことを裏付ける資料として提出しました。

結果

申請の結果、20歳前傷病による障害基礎年金2級が認定され、年間約83万円の受給が決定しました。

これまで長年にわたり「本人の性格や努力不足」と誤解され、適切な支援を受けられずに苦しんできましたが、障害年金の受給により経済的な安定が得られ、安心して生活を送る基盤が整いました。

ご本人およびご家族からは、「もっと早く相談すればよかった」「長年の生きづらさの理由が分かり、支援につながったことに安心した」とのお声をいただいています。現在も通院と支援を継続しながら、無理のない範囲で就労と生活を維持されています。

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著者

横堀 健
横堀 健社会保険労務士
はじめまして。「東京新宿・渋谷障害年金プラザ」を運営する横堀健社会保険労務士事務所の横堀健です。
障害年金は、身体障害だけでなく、知的障害や精神疾患、ガン、脳血管疾患、心疾患、糖尿病などにより生活や仕事に支障がある方を対象とした公的年金制度です。しかし、認知度が低く、受給資格があるのに請求していない方が多くいらっしゃいます。さらに、手続きが複雑なため、途中で諦めてしまう方も少なくありません。
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