【知的障害・ADHDで障害基礎年金2級】特例子会社就労中・お母様の長年の記録を活かし年額約85万円を受給できた事例

この事例のポイント

  • 20歳前傷病(知的障害・ADHD等)の20代女性が障害基礎年金2級を取得
  • 特例子会社で勤務中(単純作業)であっても、職場での常時サポートや業務配慮の実態を詳細に証明
  • お母様が長年書き溜めていた膨大な成長・生活記録を精査し、申請書類との齟齬がないよう正確に調整
  • 障害認定日(20歳)での請求がスムーズに認められ、年間847,300円の受給が決定

相談者

性別:女性

年齢層:20代

職業:障害者雇用(特例子会社勤務)

傷病名:知的障害、ADHD(学習障害、両弱視、適応障害等)

決定した年金の種類と等級:障害基礎年金2級

年間受給額:約85万円(847,300円)

相談時の状況

相談者様(ご本人)は幼少期より言語発達の遅れや多動・衝動性が見られ、成長とともに視覚認知の難しさや協調運動障害なども明らかになりました。小・中学校時代は特別支援学級、高校は特別支援学校に通学され、SST(社会生活技能訓練)や心理カウンセリングなど継続的な療育支援を受けながら成長されました。

高校卒業後は特例子会社に就職し、喫茶サービス等の業務に従事されています。しかし、視覚的な制限や複数指示の理解が困難な点があり、業務習得には器具の工夫や個別指示、メモの徹底といった手厚いサポートを要していました。また、30分以上の立位保持が難しいといった身体的・体調面の制限もあり、職場では常時サポートや業務量の調整を受けている状態でした。

日常生活においても、火気管理ができず調理には常時見守りが必要であるほか、金銭管理や初めての場所への移動にはお母様のサポートが不可欠でした。ご本人が20歳を迎える少し前に、「働いている状態でも障害年金が受給できるのか」「これまでの複雑な病歴や療育の経緯を正しく申請書類に反映できるか」と心配されたお母様が、当プラザのホームページをご覧になりご相談に来られました。

相談から請求までのサポート

当プラザで面談を行った際、お母様が幼少期から現在に至るまでのご本人の成長記録や受診歴、日常生活の様子を大変詳細にまとめていらっしゃいました。20歳前傷病による障害基礎年金の請求では、幼少期から現在までの経過を「病歴・就労状況等申立書」へ途切れなく正確に記載することが極めて重要となります。

そこで当プラザでは、お母様がまとめられた膨大な記録を一つひとつ丁寧に精査・紐解く作業から開始いたしました。医療機関での受診履歴や知能検査の結果(WISC-IVなど)をはじめ、特別支援学校や現在の特例子会社での具体的な配慮内容、日常生活におけるお母様の介入度合いなどを詳細に整理いたしました。

特にポイントとなったのは「就労実態の正確な申告」です。一般的に「就労している」という事実だけで「日常生活能力がある」と判断されてしまうケースが少なくありません。そのため、現在の職場(特例子会社)でどのような合理的配慮や常時サポートを受けているか、単独での業務遂行が困難である実態を明確にアピールできるよう申立書を作成・調整いたしました。診断書の内容とお母様からのヒアリング内容、申立書の記載に矛盾や齟齬が生じないよう細部まで整合性を図り、20歳の障害認定日に合わせて申請を行いました。

結果

申請の結果、不備や疑問点を問われることもなくスムーズに認定され、障害基礎年金2級(年額847,300円)の受給が決定いたしました。

就労を継続している中でも障害年金が認められたことで、お母様からは「娘の将来に対する金銭的な不安が大きく和らぎました。幼少期からの記録をしっかりと汲み取り、申請書類として形にしてくれたことに心から感謝しています」とのお言葉をいただきました。

担当社労士からのコメント

知的障害や発達障害(ADHD等)をお持ちの方が特例子会社などで働いている場合、「働けているから障害年金は無理ではないか」と諦めてしまうご家族が少なくありません。しかし、障害年金の審査では「労働に従事しているか」だけでなく、「どのような環境で、どのような配慮・サポートを受けて働いているか」という実態が重視されます。

本件では、お母様が長年残されていた貴重な記録があったからこそ、幼少期からの生活障害や現在の就労における手厚いサポートの実態を正確に証明することができました。専門家としてその記録をしっかりと審査基準に合致するよう調整できたことが、一発での2級受給決定につながったと感じております。ご家族だけで抱え込まず、ぜひ当プラザにご相談ください。

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よくあるご質問

Q. 知的障害やADHDがあり特例子会社で働いていますが、障害年金はもらえるでしょうか?

A. はい、特例子会社や障害者雇用枠で働いている場合でも、障害年金を受給できる可能性は十分にあります。単に働いている事実だけでなく、職場で受けている指示・指導の体制や職務上の配慮、日常生活での家族のサポート実態を適切に申立書等で証明することが重要です。

Q. 20歳前傷病の障害年金申請では、幼少期からの記録がすべて必要ですか?

A. 原則として、出生時から現在までの経過を「病歴・就労状況等申立書」に記載する必要があります。当時の連絡帳や通知表、療育の記録、お母様のメモなどが非常に役立ちます。手元に詳しい記録が残っていない場合でも、社労士がヒアリングを行いながら記憶を整理して書類を作成しますのでご安心ください。

Q. 20歳になる前から障害年金の相談や準備を始めても大丈夫ですか?

A. はい、20歳になる数ヶ月前からご相談いただくのがベストなタイミングです。障害基礎年金(20歳前傷病)は20歳に達した日(誕生日の前日)が障害認定日となり、その時期に合わせて診断書や申立書を準備することで、最もスムーズに受給手続きを進めることができます。

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著者

横堀 健
横堀 健社会保険労務士
はじめまして。「東京新宿・渋谷障害年金プラザ」を運営する横堀健社会保険労務士事務所の横堀健です。
障害年金は、身体障害だけでなく、知的障害や精神疾患、ガン、脳血管疾患、心疾患、糖尿病などにより生活や仕事に支障がある方を対象とした公的年金制度です。しかし、認知度が低く、受給資格があるのに請求していない方が多くいらっしゃいます。さらに、手続きが複雑なため、途中で諦めてしまう方も少なくありません。
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