【うつ病で障害厚生年金3級】パニックや強い不安で手続き困難な状況から約10ヶ月分の遡及受給に成功した事例
この事例のポイント
- 適応障害からうつ病へ悪化し、退職を余儀なくされた50代女性が障害厚生年金3級を取得
- 強い不安や焦燥感により手続き困難な状況でも、専門家が信頼関係を築きながら優しくサポート
- 障害認定日からの請求(認定日請求)により、約10ヶ月分の遡及支給(過去に遡った受給)も同時に実現
- 年間約623,800円の受給が決定し、転地療養に向けた大切な生活基盤を確保
相談者
性別:女性
年齢層:50代
職業:無職(初診日当時は会社員・派遣社員)
傷病名:うつ病(鬱病)
決定した年金の種類と等級:障害厚生年金3級
年間受給額:約623,800円(約10ヶ月分の遡及支給あり)
相談時の状況
相談者は令和5年頃から体調に異変を感じるようになりました。当初は職場での強いストレスから適応障害と診断され、令和6年3月にクリニックを初診。一時的な休職を経て復職したものの体調は回復せず、治療に専念するため令和6年9月末に退職されました。その後は傷病手当金を受給しながら療養を続けていましたが、令和7年夏頃から病状はさらに悪化。気分の激しい落ち込みに加え、強い焦燥感やいらだち、突然泣き出してしまうなど、感情のコントロールが非常に困難な状態に陥りました。
日常生活においても深刻な支障が出ていました。思考力や判断力が著しく低下し、炊事をしようとしても手順が分からなくなり、途中で途方に暮れて台所で座り込んでしまいます。以前のように料理ができないことに対して強い焦りやいらだちを感じており、調理中に手を切って以降は包丁や火を使うことが怖くなり、単品や冷凍食品に頼るため栄養バランスも著しく崩れていました。また、外出時には「家の鍵を閉めたかどうか」が過剰に気になり、強い不安からパニックに陥りやすい状態でした。
身の回りの清潔保持も困難で、入浴は3日に一度が限界。部屋の片付けや掃除、買い物などは親族(兄嫁)が定期的に訪れて手伝うことで何とか生活を維持していましたが、住環境の維持ができず実質的に「汚部屋化」していました。他者との意思疎通や公共交通機関の利用も大きな精神的負担となり、常に強い不安や「この先どう生きたらよいのかわからない」という深い絶望感を抱えておられました。
相談から請求までのサポート
相談者は、ご自身での年金手続きを進めようと試みたものの、複雑な内容や窓口でのやり取りに強いストレスを感じ、極度のパニックに陥ってしまわれたとのことでした。「自分一人ではこれ以上進められない、どうしていいか分からない」と強い不安と焦燥感に包まれた状態で、当プラザに駆け込んで来られました。
面談時、相談者はこれまでの辛い治療経過や、思い通りにいかない日常生活への焦りから、お気持ちが非常に高ぶっておられました。焦燥感から言葉が厳しくなってしまう場面もありましたが、当プラザの相談員はそれがご本人の苦しみや不安の裏返しであることを深く理解し、決して急かさず、常に穏やかで温かみのある態度で親身にお話をお伺いしました。
サポートにあたっては、以下の点に特に注力しました。
1. 医師への適切な情報提供(受診状況の整理)
主治医の先生に、日常生活における制限の実態を正しくお伝えできるようサポートしました。ご本人が診療時にうまく伝えられなかった「料理中の怪我や家事への強い焦燥感」「外出時のパニック」「親族(兄嫁)による援助が必要不可欠な状態」について詳細な書面にまとめ、診断書に実態を正しく反映いただけるよう橋渡しを行いました。
2. 病歴・就労状況等申立書の精緻な作成
焦りや不安から、これまでの経緯を筋道立てて説明することが難しい状態であったため、ご本人の体調が良いタイミングを見計らいながら、短時間のヒアリングを丁寧に重ねました。派遣社員時代の勤務状況、休職から退職に至るプロセス、そして現在の日常生活における制限の数々を客観的な事実としてわかりやすく記述しました。
結果
申請の結果、障害認定日(令和7年9月25日)における「障害厚生年金3級」の受給が認められました。 過去に遡って支給される「遡及請求」も認められ、約10ヶ月分の遡及給付金とともに、年間約623,800円の受給が決定しました。
受給決定後、お金の不安が和らいだことで、相談者の気持ちも少しずつ落ち着きを取り戻されました。「一人で悩んでどうしようもなくなっていたので、最後までサポートしてもらえて本当に救われました」と安堵の表情を浮かべておられました。医師の助言もあり、今後は親族のいる北九州への移住(転地療養)を予定されており、新しい環境で落ち着いて治療に専念するための大きな第一歩を踏み出されています。
担当社労士からのコメント
今回は、うつ病特有の「強い焦燥感やいらだち、パニック」が原因で、ご自身での年金手続きが精神的に不可能になってしまった非常に困難なケースでした。 精神疾患を抱えている方は、手続きの煩雑さや窓口での対話そのものが大きな負担となり、お気持ちが高ぶってしまうことが珍しくありません。私どもはその焦りや不安の裏にある「助けてほしい」というSOSに耳を傾け、心休まるペースで一歩ずつ信頼関係を築きながら進めることを第一に考えました。
「年金事務所の窓口へ行くのが怖い」「自分で説明しようとするとパニックになってしまう」という場合でも、私ども専門家が代理人として間に入ることで、医師や年金事務所とのやり取りをすべて代行し、安心してお手続きを終えることができます。どうぞおひとりで抱え込まず、まずは私どもにご相談ください。
同じ傷病で障害年金の申請をお考えの方へ
「うつ病(鬱病)」は障害年金の対象となる代表的な精神疾患です。しかし、うつ病による気分のムラや対人恐怖、パニック症状がある中での複雑な書類手続きは、ご本人にとって極めて高いハードルとなります。
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よくあるご質問
Q. うつ病(鬱病)で障害年金はもらえるのでしょうか?
A. はい、うつ病は障害年金の対象です。日常生活や就労にどの程度の支障が出ているかによって、障害厚生年金(3級以上)または障害基礎年金(2級以上)が受給できる可能性があります。
Q. 強い焦りや不安から窓口でパニックになってしまいます。このような状態でも社労士に依頼できますか?
A. はい、全く問題ありません。手続きに対する強い不安やパニック症状をお持ちの方こそ、代理人である社労士が必要となります。当プラザが窓口となり、年金事務所や医師とのすべての調整を代行いたしますので、ご本人が無理をして対話をする必要はありません。安心してご相談ください。
Q. 障害年金の「遡及(そきゅう)請求」とは何ですか?
A. 障害年金の請求が遅れてしまった場合、本来もらえるはずだった「障害認定日(初診日から1年6ヶ月が経過した日)」に遡って、過去の年金をまとめて受給できる制度のことです。本事例でも、約10ヶ月分の過去の年金を遡って一度に受給することに成功しました。
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著者

- 社会保険労務士
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はじめまして。「東京新宿・渋谷障害年金プラザ」を運営する横堀健社会保険労務士事務所の横堀健です。
障害年金は、身体障害だけでなく、知的障害や精神疾患、ガン、脳血管疾患、心疾患、糖尿病などにより生活や仕事に支障がある方を対象とした公的年金制度です。しかし、認知度が低く、受給資格があるのに請求していない方が多くいらっしゃいます。さらに、手続きが複雑なため、途中で諦めてしまう方も少なくありません。
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