人工関節・人工股関節で障害年金はもらえる?受給の条件・申請手続の流れ・注意点を社労士が徹底解説

人工関節とは?

・変形性股関節症

・関節リウマチ

・大腿骨頭壊死及び骨折

などにより変形した関節に対して人工関節等を入れ替える手術です。

この手術によって、関節の痛みを和らげ、関節の機能を回復することができます。

障害年金とは

「障害年金」とは、公的な年金の1つで、病気やけがによって生活や仕事などが制限されるようになった場合に、現役世代の方も含めて受け取ることができる年金です。

障害者のための特別な手当や、事故や労災などによるケガでないと申請できない、と勘違いされている人もいますが、実は老齢年金と同じ公的年金です。

もちろん人工関節も障害年金の対象傷病です。

障害年金の受給要件を満たしているのに、障害年金を申請しないというのは、65歳になっても老齢年金を受け取っていないようなものなので、特別な事情のない限りは障害年金の受給をお勧めします。

障害年金を受け取るための条件

障害年金を受け取るためにはいくつかの条件を満たさなければなりません。

申請の前に、条件を満たしているか必ず確認しましょう。

①初診日要件

国民年金、厚生年金、共済年金へ加入していた期間中に、その障害の原因となった病気やケガを医師や歯科医師に診察してもらっていることが必要です。

この診察を初めて受けた日を「初診日」といいます。健康診断で異常がみつかった日や、誤診を受けた日が初診日とみなされることもありますのでご注意ください。

②保険料納付要件

この保険料納付要件が満たされないと、一生この病気やケガを原因とする障害年金はもらえません。

初診日の前日に、その初診日のある月の前々月までの期間の3分の2以上が、次のいずれかの条件に当てはまっている必要があります。

  • 保険料を納めた期間(会社員や公務員の配偶者だった期間も含む)
  • 保険料を免除されていた期間(全部免除、一部免除)
  • 保険料納付猶予期間(学生納付猶予など)
  • 合算対象期間(いわゆるカラ期間)

20歳以降初診日の前々月までの被保険者であった期間のうち、3分の1を超える期間の保険料が未納でなければ大丈夫です。

実際に保険料を納めていた期間だけでなく、正式に保険料が免除されていた期間も、納めていたものとして扱われます。

上記の要件には当てはまらなくても、令和8年3月31日までに初診日がある場合は、初診日の前日に、その前々月までの1年間に保険料の未納がなければ要件を満たすことができます。

(※20歳前の年金制度に加入していない期間に「初診日」がある場合は、納付要件は不要です)

③障害認定日の要件

障害年金を受けられるかどうかは、障害認定日に一定以上の障害状態にあるかどうかで判断されます。

障害認定日とは、初診日から1年6か月が経過した日か、1年6か月が経過する前に症状が固定し、それ以上治療の効果が期待できない状態となった日のことです。

例外

下記の状態になった場合も障害認定日として扱われます。

  • 咽頭全摘出・・・摘出した日
  • 在宅酸素療法・・・常時使用を開始した日
  • 人工透析をしている場合・・・人工透析開始から3ヶ月を経過した日
  • 心臓ペースメーカー、人工弁、CRT、心臓移植、人工心臓を装着(移植)した場合・・・装着(移植)した日
  • 人工肛門造設、尿路変更術・・・造設日(手術日)から起算して6か月経過した日
  • 新膀胱・・・造設した日
  • 遷延性植物状態・・状態に至った日から3か月を経過した日
  • 人工骨頭、人工関節を挿入置換した場合・・・挿入置換した日
  • 手足の切断の場合・・・切断された日
  • 脳梗塞、脳出血による肢体障害の場合・・・初診日から6ヶ月以上経過後の医師が症状固定と判断した日

この障害認定日に一定の障害状態にあると認められると、その翌月から年金が支給されます。

これを、障害認定日請求と呼び、もし請求が遅れても最大5年遡って支給されます。

そのほか、障害認定日に障害の状態が軽かったとしても、のちに悪化する場合もあります。

この時は「事後重症請求」という形で申請することも可能です。

④受給できるのは原則20歳から64歳まで

障害年金は原則20歳から64歳までの人が受給できます。

65歳以上は老齢年金と障害年金のどちらかを選択するか、または併給調整がかかり、最終的にもらえる金額が変わらない場合があるため注意が必要です。

65歳以上の方はこちら

人工関節の認定基準

障害年金を受け取るためにはそれぞれの傷病の「認定基準」を超えていることが重要となります。

人工関節・人工股関節での障害認定基準

※認定基準は下肢の肢体障害を抜粋しておりますが、人工関節について「上肢」「下肢」どちらに設置した場合でも障害年金の支給対象となります。

原則、人工関節・人工骨頭の置換術を行えば障害等級3級に該当します。

ただし、一下肢については「一下肢の用を全く廃したもの」程度以上に該当するとき、両下肢については「両下肢の機能に相当程度の障害を残すもの」に該当する時には、さらに上位等級に認定します。

「一下肢の用を全く廃したもの」とは

一下肢の3大関節中(股関節、膝関節、足関節)いずれかの2関節以上の関節が、通常の他動可動域の2分の1以下に制限され、かつ、筋力が半減している

「両下肢の機能に相当程度の障害を残すもの」とは

両下肢の3台関節中(股関節、膝関節、足関節)いずれか1関節以上の関節が、通常の他動可動域の2分の1以下に制限され、かつ、筋力が半減している

人工関節で障害年金を受け取るためのポイント

診断書に日常生活が適切に反映されているか確認しましょう

障害年金の申請には診断書が非常に重要となってきます。

障害年金を受給できるか、できないかの9割が診断書で決まるといっても過言ではありません。ですが、医師は病院で受診をした際の状況で症状の状態を判断しているため、普段の生活状況を加味して診断書を書くことが非常に困難です。

診断書を書いてもらう際にはご自身の普段の生活状況など、医師から見えない範囲の生活状況も適切に反映されているかを確認しましょう。

初診日がいつかを確認しましょう

初診日の確認は障害年金の申請上、細心の注意が必要な作業です。

初診日がいつかによって障害年金を受け取れなくなってしまったり、逆に受け取れるようになる場合もあるため、初診日は正確に把握するようにしましょう。

働いていても障害年金は受給できます。

「働いていると障害年金は申請できないですか?」といった質問や、既に受給している方からは「働いたら年金は支給停止になりますか?」といった疑問はよく耳にします。

ですが、障害年金を受け取るに当たって、「働いている」という事実だけで、不支給となることはありません。

不支給や支給停止になるケースはいずれも、実際の就労状況に左右されます。

障害者雇用枠で働いていたり、軽作業のみを任せてもらっているなど、職場から特別の配慮を受けている、フルタイムや週5日勤務が難しいといった状況にあれば、働いていても障害年金3級を受け取れる可能性があります。

(※障害年金3級は厚生年金の加入者のみ対象です。)

なお20歳前傷病による障害基礎年金を受給している場合は、所得の金額により減額または支給停止になることもあるのでご注意ください。

これから医療機関で診察を受ける方に確認です。

障害年金には保険料納付要件を満たす必要があります。

特に、現在お勤めでない方は国民年金の保険料を納める義務がありますが、

少なくとも、直近1年間の保険料が納付済であることを確認してから、

(もし未納だったら納付してから)医療機関に行かれることをお勧めします。

また、経済的な理由で国民年金の保険料が支払うことが難しい場合は、保険料の免除申請という制度もあります。「未納」と「免除」とでは、扱いが全く違うということを押さえておいてください。

また、何年も前から障害状態が続いている方に確認です。

障害年金の受給権は5年です。遡及して請求することも可能なのですが、

申請が遅れれば遅れるほど、受給できる金額が減ってしまいますし、

申請するために必要な書類が増えたり、時の経過により入手が困難になったりもします。

できるだけ早く申請することをお勧めします。

無料相談受付中

いかがでしたでしょうか。

障害年金は不運にも、障害をおってしまった方を経済的に支える非常に重要な制度です。

しかしながら、その制度や申請手続きはとても複雑で、申請までに半年や1年もかかってしまったり、申請自体をあきらめてしまうことも少なくありません。

そんな時は、当プラザの無料相談をご活用ください。

電話や実際にお会いして障害年金に関するご相談をお受けいたします。

また、ご自身での申請が難しい場合には、障害年金の申請代行サポートもございますので、お気軽にご相談ください。

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